なんとなくコラム

05/9/17(土)
寮の中の世界

以前、僕が入っていた寮は、１３階建てのタワーが２本そびえたつ近代的な寮でした。
超大画面ＡＶルームや、トレーニングルーム（バーベルやアスレチックマシーンなど）もありました。

入居者は７００人。

お年頃の独身男が７００人。
もんもんとした夜を過ごす独身男が７００人。
毎晩、射精される精液はすごい量でしょう。
少子化が問題になっている現在、この男子寮内での無駄撃ちはもったいない。

女の子が、寮のエントランスに入ってきたりなんかしたら、ここに漂う密度の濃い空気を吸っただけで妊娠してしまいそう。
気をつけてね。

この寮のお風呂がまたすごい。お風呂は各タワーにひとつずつ。
外光がいっぱい入ってくる明るい浴室で、清潔感があり、すごくデカい。
ちょっとしたスーパー銭湯？っていう感じ。
湯船で泳げちゃうくらい広い。
本格的なジェットバスや打たせ湯なんかもある。
そのうえ、２４時間風呂でいつでも入れるんだからホントありがたい。

22時～24時くらいは比較的込み合うんだけど、それ以外の時間はすいている。
ましてや、3時（27時）頃なんてのは誰もいない。
大きなお風呂をひとりじめ。

浴室に入ると正面に大きな湯船がって、右側と左側の壁にそれぞれ洗い場（シャワー付き）が１０個くらいずつ。

先客が一人いて、その人が右側の洗い場でカラダを洗っている場合、後から入ってきた人はたいてい左側のシャワーの方を使います。
二人しかいないんだったら、他人を気にせずに一人でのんびりしたいですもん。

…で、３時頃に一人でお風呂に入り、鼻歌まじりに髪を洗っていると浴室のドアが開く音がした。
「こんな時間に、僕のほかにもお風呂に入りにくる人がいるのかぁ」
なんて思っていたら、こちら側に歩いてくる気配。
それだけでも「？」なのに、僕のすぐ隣に座るじゃないですか！
「なぜ、僕の隣に？あっちだってシャワー空いてるのに…。せめて１つあけて座るとか…」

視線を感じる。僕のカラダに強い視線を感じる。
両手を頭の上に乗せたまま、そーっと横を見ると、微笑む彼。

　あっ！？

　きっ、君の期待に答えられません。
　僕は、ほっ、ホモじゃありません。

　そんなに見つめないで下さい。
　そこ、重点的に見ないで。恥ずかしいから…。
　お願い。

世の中、何％の人がホモかわからないけど、例えば３％だとするとこの寮には２１人のホモがいる。５％だとすると３５人いることになる。

彼らにとっては、パラダイスだよなぁー、この寮。このお風呂。
実は、ホモのハッテン場として、「金曜日の２７時に浴室で…」っていう約束があったりして。

間違って僕が紛れ込んでしまったら、ごめんなさい。
まだ、そちらの世界へ行く決意ができてません。
ごめんなさい。

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